アシリカル2-0

 
 アシリカルのこれまでの旅路

 カムイシレペツの南部にあるチュプカントコタンに住む十五歳のアシリカルは里(コタン)を出て、国の外を自分の目で見たいと願っていた。
 十五歳の誕生日を迎える前の時期にアシリカルは里の近くのニセウ林に落ちてきた神鳥フリィカムイの子供を見つけ、親身になって世話をする。飛べるようになったフリィの子はアシリカルがカント(天空)と名付ける。
 フリィカムイは本来は人間に懐かぬ生き物でカムイシレペツの中心の頂にあるカムイコロヌプリに棲んでおり、満月の夜にしか行き来できない。次の満月までアシリカルにお礼にと、カントは二十日間の旅のお供をすることになった。
 親や友や同郷の者たちに「必ず帰ってくる」の書きおきを残し、アシリカルはカントの背に乗って里や国の外へ。初めての海や初見の異国の人間との出会いや事件を体感して、二十日目の昼にアシリカルとカントはチュプカントコタンに戻ってくる。
 カントを初めて出会ったニセウ林に隠し、里に戻って来たアシリカルは荒れ果てた畑や道や家々を目にし、何があったのか呆然とする。
 里の住民はみんな避難しており、アシリカルとカントが戻ってくる半日前にフリィカムイの群れが来て、里の人たちが仲間を一羽捕らえたと思い、里を襲ったのだ。
 その日の夜、アシリカルとカントはフリィカムイの群れの前に現れ、誤解を解いてもらったものの、カントと別れることになった。
 それから一ヶ月、アシリカルは家族や友人や同郷の人たちと共にチュプカントコタンを復興する。
 ある晩、アシリカルがカントを思って外に出てみると、ニセウ林で成長したカントが戻って来たのだ。
 親や兄弟、長から許しをもらったカントは再びアシリカルといられることになった。
 そしてアシリカルは再び旅へ。今度は親友のランコ、幼馴染の少年ヤトロもお供にして。