ワンダリングス6-9


 甦りし創生神の力


「何故わたしなの? ワンダリングスはわたしの他にも、いやわたしよりも優れているメンバーがいるというのに......」

 リブサーナは自分に勧誘してきたエルダーンに訊いてくる。リブサーナの質問を聞いたエルダーンはリブサーナにわかる言語で答えてきた。

「強いて言うなら、興味かな」

 それを聞いてリブサーナは神経を研ぎ澄ませる。

「俺は今までに何十人ものの女と出会ってきた。だけど今までの女ってのは顔つきや体つきが不格好だったり、態度が良くなかったり、男に頼るような駄女だったりとそりゃあ酷かった。

 ある時、俺は"あのお方"や他の連中を妨げてきたっていう連合軍の下位互換、ワンダリングスの存在を知った。

 ベラサピアの収集してきた情報によれば、戦士でも兵士でも人造人間(レプリカント)でも能力者でもない女が入っていることを耳にして、すぐ情報を確かめてみたよ。それがお前だったという訳だ、リブサーナ」

 エルダーンは自分がリブサーナに興味を持った訳を淡々と話す。

「戦いとは無縁だった一般人が戦士として生きるのは、宇宙では過酷だろうよ。

 こんな可愛い子が戦場に出るなんざ、もったいないと思ったよ。どうせなら俺の女として生きれば、欲しい物は手に入るし、常に安全な場所で暮らせる保証もついているんだ。

 リブサーナ、そんな安っぽい服や靴よりも俺が選んだドレスの方がお似合いだ。こっちに来いよ。今からでも遅くはない」

 エルダーンは不敵な笑みを浮かべてリブサーナを誘う。周りにいたキュイズ兵はリブサーナとエルダーンが自分とイバーコ人が使う言葉以外の言語で対話していたので何がなんだがわからなかったが。だが、リブサーナは。

「わたしは、あなたの仲間にはならない! わたしの仲間はワンダリングスのみんなの方よ! 乱暴な手段で欲しいものを手に入れてまでなんて、わたしの性分じゃないもの。

 わたしは自分の力で欲しいものを手に入れて、どんなに険しくても戦いの道を決めたんだもの! それは絶対に後悔はしていない......!」

 リブサーナは強気の入った視線をエルダーンに向けて言い放ってきた。

「そうか。お前は俺の女にはならない、か......。ならば」

 そう言ってエルダーンは左掌をリブサーナに向けてくる。

「嫌でも俺に従わせてやる!!」

 エルダーンの左手から黄金色の閃光が放たれ、リブサーナに向けられてきた。

「きゃっ!!」

 リブサーナはとっさに上半身をそらすように避けて、エルダーンが放った閃光弾は後ろの家屋に当たってドォーン、という音を立てて煙を上げた。家屋は壁がいびつな円状に砕けて家屋の中の椅子や机が見えた。

「い、今のは......」

 リブサーナはエルダーンの放った攻撃を目にして思わず地べたに着く。

精神波動(スピリットウェーブ)だ」

 エルダーンがリブサーナに言う。

「俺の種族は異様に精神波動(スピリットウェーブ)が強く、子供でも町一つを滅ぼせる力を持っている。今の攻撃でも低い方でね。次は連続で行くぞ!!」

 そう言うとエルダーンは両掌から一つずつ黄金色の先攻を放ち、リブサーナやキュイズ兵に向けてきた。

「あれに当たったらまずいぞ! 逃げろ!!」

 キュイズ兵の男がリブサーナや他のキュイズ兵に向かって叫んだ。エルダーンの放つ閃光は次々に家屋や田畑に当たっていき、その度に破壊音や硝煙が発生する。

「おおっ、エルダーン殿があんな技を使えるとは!」

「我々の勝利も近い!」

 イバーコ兵がエルダーンの攻撃から逃げ回るリブサーナとキュイズ兵を目にして喜々となる。

「きゃあ!!」

 若いキュイズ兵の女性がエルダーンの攻撃から逃げ回っていると、閃光が家屋の壁を砕き、家屋の壁の破片が女性の背中に当たって倒れたのだ。

「イジェーラ!!」

 他のキュイズ兵が負傷した女性兵の名を呼んで思わず立ち止まってしまう。

「ぐおっ!!」

 動きを止めたキュイズ兵が家の破片に当たって後方の畑に飛ばされる。エルダーンは精神波動(スピリットウェーブ)を使って家屋を破壊し、家屋の壁の破片や屋根の一部が次々とキュイズ兵に当たって倒れていく。

「うわーっ!」

「うげっ!」

「きゃーっ!」

 エルダーンの攻撃を受けたキュイズ兵は次々と倒れていき、リブサーナ一人だけになってしまった。

「そ、そんな......」

  ピンチに陥ったキュイズ兵を救援するはずが、敵軍の助っ人であるエルダーンによって返り討ちに遭ってしまったのを目の当たりにして、たたずんだ。

「もう、これでお前の味方はいないな」

 エルダーンは不敵な笑みを浮かべてリブサーナに近づいてくる。

「ううっ......!」

 助けを呼ぼうと考えたが、みんな各々の場所で戦っており、かえってキュイズ兵のピンチを招くだけだと悟った。かといってウィッシュッター号で待機しているピリンを呼んだら自分より体の小さいピリンが狙われたり人質に取られてしまうとリブサーナは判断した。

「いい加減にしろよ。俺の女になれば他の奴らは見逃してやってもいいんだぜ?」

 エルダーンはリブサーナの腕を掴もうとしたその時だった。チュインッ、という鋭敏な音と共に、エルダーンの髪の先がいくつか散った。リブサーナが携帯銃(ハンドライフル)をエルダーンに向けて放ったのだ。

「次は額を狙うわよ。ただじゃおかないから」

 リブサーナはエルダーンに強い視線を向けてくる。エルダーンはそれを見て一瞬静止するも、左手を後ろに回して指を鳴らした。

「おい、これを見るんだ」

 イバーコ人の声がしたのでリブサーナはエルダーンのいる方向とは別にいるイバーコ人を目にして驚いた。

「ふ......う......」

 イバーコ人の二人の兵士がキュイズ兵の少女兵、最初にエルダーンの攻撃を喰らったイジェーらを人質に取っていたのだ。一人がイジェーラの手首を掴んで手で口を塞ぎ、もう一人が人質の頭部に銃口を向けていた。

「ひ、ひどい! 人質を取るなんて......」

 リブサーナが人質を取ったイバーコ兵を目にして叫んだ。

「おっと、我々に攻撃を仕掛けてくるのなら、この女の頭を撃ち抜くぞ。さぁ、武器を捨てろ!」

「くっ......」

 リブサーナは人質に危害を与えてはならないと判断して、携帯銃(ハンドライフル)と短剣を地面の上に投げ捨てた。イジェーラは解放されてリブサーナの方へ駆け寄る。

「よしよし。ちゃんと相手の言うことが聞けたな。じゃ、お前はこっちに来るんだ」

 エルダーンはリブサーナの左腕を引っ張る。

「つっ!!」

 腕を引っ張られたリブサーナは唸るも堪えた。

「ちょっ......、何するんですか!」

 イジェーラがエルダーンに声をかける。

「何って、俺の好きなようにするんだよ。ワンダリングスに仕えるよりも俺の愛人にして可愛がる。それだけだ」

 エルダーンはリブサーナを自分たちのアジトへ連れて行こうとするとイジェーラが止めてきた。

「やめてください 嫌がっているじゃないですか!」

 エルダーンはイジェーラに精神波動(スピリットウェーブ)を向け、後方に飛ばす。

「きゃあっ!!」

 イジェーラは後方に飛ばされ、農業道具入れの小屋にぶつかり、小屋に大きな孔が空いてイジェーラは中に倒れこむ。

「助けてやっというのに、抵抗しやがって......」

 エルダーンが農具小屋に倒れ込んだイジェーラを見て毒づき、リブサーナは切れてエルダーンを振り払って地面を転がって、さっき捨てた携帯銃(ハンドライフル)を拾ってエルダーンに銃口を向けた。

「赦さない......! 赦さないわ!! この子は関係ないのに!!」

 エルダーンが異星の住人を傷つけたのを目にして、リブサーナは(いか)る。

「キュイズ人もキュイズ人だ。我々"あのお方"に逆らったりしなければ、こんな目に遭わずに済んだというのに......」

 エルダーンはさらりと言ったのを見聞したリブサーナは悪に対する怒りを募らせた。

「キュイズ星の人たちは平穏に暮らしたかっただけなのよ......。イバーコ人が与えられた土地だけじゃ足りないと苦情を出すからキュイズ星の人たちは否応なしに戦争することになっちゃったのよ。

 この子だって、今までの暮らしに戻りたいがために戦う羽目になったのよ! あなたたちにキュイズ人の気持ちなんてわからないでしょう!!」

 質素ながらも穏やかで平穏な暮らし。移民の反乱。そこから生じる戦争。キュイズ星人にとってはどれほど苦しい決断だったかリブサーナにはわかっていた。

「部外者のくせに生意気な! こうなったらこのシャープリッパーで斬り刻んでやる!!」

 イバーコ兵の一人がハサミ虫型の戦闘兵器に乗り込んで動かしてくる。シャープリッパーの尾のハサミがリブサーナに向けられてきた。

 その時であった。リブサーナの後ろ髪を留めているバレッタの結晶が激しい緑色の光を放ち、その眩しさにイバーコ兵もエルダーンもまぶたを閉ざした。

「うわぁっ!!」

 その時、リブサーナの体が緑色の光に包まれて、リブサーナは腕と脚と胸、腰と背中、両肩、そして頭部が緑色の装甲に覆われて、顔を露出した鎧姿になって姿を現したのだった。

 リブサーナの身を纏う緑色の装甲は頭部は三本の角のような飾り、両肩と両腕と両脚には植物の蔓のような金色の装飾、胸はリブサーナが持っている結晶と同じ紋章が刻まれ、腰には白い前開きスカートの装いが付いていた。

「な......何だ!? 全く違う姿になって......」

 イバーコ兵もエルダーンもリブサーナの変貌に目を丸くするも、攻撃を再開する。エルダーンは両手を丸めるように重ねてそこから精神波動(スピリットウェーブ)の玉を飛ばし、イバーコ兵も連射式エネルギーバレットの銃を連射してリブサーナに向ける。

 だがリブサーナは左手を前に出すと鮮やかな緑色の光の波動を出して、エルダーンの精神波動(スピリットウェーブ)の玉もエネルギーバレットを一瞬にして霧のようにかき消してしまった。

「な、何だ。あの力は......!?」

 エルダーンとイバーコ兵も変貌したリブサーナの技を見て亜然となる。するとリブサーナが口を開いて声を発する。

「自然豊かなキュイズ星を侵略し、先住民を苦しめ傷つける悪しき輩よ。この緑土のフリーネスが打ち払ってくれよう」

 さっきのリブサーナとは違った感じの声で、しかもフリーネスという別の名前を語ってきたのを耳にして、エルダーンとイバーコ兵は一瞬止まるも、再び攻撃を仕掛けてくる。

「こんなのはどうせ我々を怯ませるためのハッタリだ! 攻撃開始!!」

 エルダーンの指揮でイバーコ兵はエネルギーバレットの雨をリブサーナに向けてきたが、リブサーナはまたしても、左手から出す緑色の波動でレーザーバレットをかき消し、イバーコ兵は武器の燃料切れに陥ってしまった。

「まだシャープリッパーがある! このハサミで装甲をズタズタにしてやるっ!!」

 シャープリッパーに乗ったイバーコ兵がリブサーナに向かってきて、シャープリッパーの尾のハサミがリブサーナに近づいてくる。その時、  リブサーナは(くう)から一本の長杖を出してきて、杖から緑の光状の無数の木の葉が旋風を舞いて放たれた。シャープリッパーは尾のハサミが砕けて装甲にも切り傷が入る。

「ひえっ! あんな技を使ってくるなんて!」

 イバーコ兵はシャープリッパーを乗り捨てて逃げ出し、それを見ていたエルダーンが舌打ちをする。

「チッ、腰抜けめ。ならば俺一人がリブサーナを仕留めてやる!!」

 エルダーンは両手を丸めて囲むようにして、精神波動(スピリットウェーブ)を放ってきた。それも三発続けて。だが、リブサーナは長杖を構えて天に掲げて長杖の先端が鮮やかな緑に輝き出す。

悪滅法(あくめつほう)、ネイチャープレセプト!!」

 リブサーナの持っている杖から緑の光が扇状に放たれ、エルダーンの放った精神波動(スピリットウェーブ)のたまが消え、更にエルダーンと残ったイバーコ兵も後方に吹き飛んだ。

「うわあああっ!!」

 エルダーンとイバーコ兵を撃退したリブサーナは今までに使ったことのない力を発したためか、装甲が肩、腕、頭部、胸、腰、脚の順に消えて前のめりに倒れていった。


「リブサーナ......、リブサーナ」

 自分を呼ぶ声が聞こえたので、リブサーナは閉ざされていたまぶたを開けてきた。目の前には見慣れた六つの顔。グランタス艦長、ドリッド、アジェンナ、ブリック、ピリン、そしてヒートリーグ。

「ここは......?」

 リブサーナは自分が寝かされている場所を目にする。リブサーナはウィッシュッター号の治療室のカプセルの中に横たわっており、ゆるめのタンクトップとショートパンツの姿に着替えさせられていた。

「フタを開けるぞ」

 ブリックがリブサーナいるカプセルの透明カバーのスイッチを入れて、リブサーナは上半身を起こしてくる。

「サァーナ~、よかったぉ~。もう三日もねむってたかりゃ、しんぱいしてたんだぉ~」

 ピリンが号泣しながら言ってきたので、リブサーナはそれを聞いて驚く。

「み、三日!? わたし、そんなに眠っていたの?」

「ああ、私や他のメンバーがイバーコ兵を撃退した後は、キュイズ人が倒れたリブサーナを見つけて教えてくれたんだ。

 しかしリブサーナは外傷は細かい切り傷や擦り傷はあったのに、骨も内蔵も異常がなかったのにも関わらず、昏睡状態になっていたんだ」

 ブリックがリブサーナの様子を確かめたことを伝えると、リブサーナは静止する。

「でも、イバーコ兵は連合軍に連行されたし、キュイズ人もケガ人は出たけど、死者は出なかったのが幸いだよね」

 ヒートリーグがキュイズ星での戦況結果を伝えてくれた。

「あの、みんな......。エルダーンって人はどうしたの?」

 リブサーナはイバーコ人を先導していた人物、エルダーンのことを艦長たちに尋ねてくる。

「えっと......、エルダーンは以前出会ったベラサピアやバトナーチェ星やブラドリー星の犯罪者の仲間で、"あのお方"に仕えていると言っていた」

 それを聞いて他の面々は首を横に振る。

「わしらがリブサーナを見つけた時にはそのような男はいなかったぞ。生きていたとしても、キュイズ星から逃げたのだろう。エルダーンという男は捕まえられなかったが、キュイズ星の戦争を止められたのが救いだな」

 グランタス艦長がリブサーナにそう言ってきた。


 リブサーナの体調が良くなるまでにワンダリングスはキュイズ星の無人地帯に留まり、リブサーナ以外のワンダリングスの面々はキュイズ星の壊れた建物や田畑の修繕を手伝った。

 その間にリブサーナは治療室のカプセルで寝ていることが多く、起きてから二日半後に立ち上がれるようになると、自分の部屋に入ってきて、机の上に緑色の結晶がはめ込まれていたバレッタを手に取る。アジェンナあたりが置いてくれたのだろう。

 リブサーナの指が結晶に触れると、緑色の閃光を放ってきて、一人の人物像がリブサーナの前に現れる。鮮やかな緑色の装甲に覆われ、顔つきがヒートリーグのようなテクロイドのようで、青い眼の女の機械人形のようだった。

「あ、あなたは......!?」

 リブサーナは驚くも、自分の前に現れた者に尋ねてくる。

「私は宇宙の創造神、緑土のフリーネス」

「そ......創造神......?」

 それを聞いてリブサーナは目を丸くする。

「私の魂の結晶を見つけてくれたリブサーナよ。あなたは私に選ばれた。リブサーナ、頼みがある。他の創造神の魂の結晶を探し出してほしい」

「他の創造神の魂......?」

 リブサーナはフリーネスにまた訊いてくる。

 フリーネスはリブサーナに語りだしてくる。宇宙の誕生と自分たちの創造神の経緯を......。


 創造神は宇宙の誕生と共に生まれた六柱の神で、その姿はヒートリーグをはじめとするテクロイドに似ていた。

 リブサーナが見つけた魂の結晶の一柱であるフリーネスは緑土、つまり植物と大地を司る女神で、広大な地や草木豊かな惑星を次々に生み出してきたという。

 フリーネスたち六柱の神が多くの星々や宇宙生命の始祖を生み出してから三十五億年経った頃、フリーネスたち六柱の創造神の前に一柱の邪悪なる魔神が現れた。

 その魔神はアルファ星域の惑星テーラから生まれし神、テーラの基本となる世界を創造した夫婦神の最初の子供で、両親に似つかぬ醜い姿で生まれて疎まれて冥土に地中に捨てられたといわれ、その魔神が地底にいる間に夫婦神は次々に魔神の弟妹となる神々を生み出し、母神が火神を産み落とした火傷が原因で死亡して、冥土の一角、黄泉の国の住人入りをした後、母神恋しさに父神が黄泉の入口に来た時の禁忌で、父神と母神は別々の場所で暮らすことになったのがきっかけで、父神を追いかけてきた母神についてきた黄泉の住民にまぎれて魔神は冥土を抜け出して、テーラを出て、アルファ星域を出て、宇宙中の憎しみや絶望といった負のエネルギーを糧にして、宇宙を滅そうとしてきた。

 フリーネスたちは自分たちの創造した星々と数多の生命の保守のために魔神に立ち向かい、激しき戦いの末、魔神をある星域の小惑星の中心に封印することに成功した。

 また創造神たちも魔神との戦いの末に体が傷ついて弱り、創造神たちは最後の力を使い、自分たちの魂を結晶に化えて、宇宙各域の惑星で永い眠りにつき、惑星が天災などで滅んでも魂の結晶だけは新たな惑星を求めて移動していった。

「それでわたしがフリーネスの魂の結晶を見つけて、フリーネスとわたしの心の"何か"が同調(シンクロ)か共鳴して、フリーネスがわたしの体を媒体にして甦った......」

 リブサーナはフリーネスから聞いた話を理解するものの、気持ちは半信半疑だった。

「ああ。私がリブサーナの体を借りて甦った時、あなたの意識を眠らせて私は動いた。一つの体に二人分の意識があると、精神崩壊の恐れがあるため、リブサーナの魂を眠らせた」

 リブサーナがエルダーンとの戦いで意識がなくなって三日後に目覚めたわけに納得した。

「リブサーナ、お願いだ。他の五柱の創造神を探し出して欲しい。私たちが封印した魔神は数千年ぶりに復活して、宇宙中の悪しき輩を集めて、宇宙の全てを支配して自分に逆らう者を滅ぼそうと企んでいる。

 善の意が強いあなた、いやあなたたちしかいないのだ」

 それを聞いてリブサーナは困り出す。

「ええ!? フリーネス以外の創造神の魂の結晶を集める? 創造神って魂だけでも流れまわっているんでしょう? どこの星域の何て星にいるかもわからないし......」

「心配ない。リブサーナ、あなたに創造神を見つけ出す能力を与えよう」

 そう言ってフリーネスは右手を出してきて、一筋の緑色の光がリブサーナの額に当てられる。リブサーナは体が大きくびくつくと、身震いさせる。

「い、今のは......!?」

「私の持っている能力の一つをあなたに分け与えた。日常に支障は出ない 。それでは、頼みましたよ」

 そこでフリーネスの姿は消え、リブサーナは部屋で一人佇んでいた。

 するとドアが開いて、ピリンが入ってきた。

「あっ、サァーナ。げんきになったんだね。それなりゃ、あんしんだぉ」

 リブサーナはピリンを目にすると、彼女にこう言ってきた。

「ねぇ、みんなを集めてくれる?」


 それからして他のメンバーもウィッシュッター号に帰ってきて、司令室に集まる。

 リブサーナは自分の身に起こったことを一から十まで話し、フリーネス以外の創造神の魂の結晶探しの申し出を頼み込んできた。

「創造神にテーラ出身の魔神......。なんか信じられねぇな」

 ドリッドがリブサーナの話を聞いて首をかしげる。

「だけどリブサーナが三日間眠っていた理由もわかるような気がするしなぁ......」

 ブリックがそれなりの納得をして呟く。

「しっかしリブサーナが創造神から他の創造神を探し出す能力を分け与えてくれたとはいえ......、雇われ兵団のあたしたちも協力しろってこと?」

 アジェンナが顔をしかめる。

「僕は信じるよ。創造神のことも、魔神のことも、リブサーナの能力のことも......」

 ヒートリーグが言った。

「そしたらサァーナ、ピリンたちとわかれちゃうの? そんなのやだぉ」

 ピリンが目を潤わせる。しかしグランタス艦長は。

「リブサーナが言うのなら、わしらもついていこう。旅は道連れ。リブサーナは大切な仲間だ。それでいいな?」

 艦長の言葉を聞いて、他の面々も意見に賛同した。

「ああ、そうだな。探すか。宇宙の創造神を」

「リブサーナ一人にやらせたら、それはそれで危ないしな」

「あたしも。出来ることなら」

「創造神を探せば、魔神を倒せるんだよね?」

「いくぉ。あたりゃしい、もくひょーのたびへ!」

 ドリッド、ブリック、アジェンナ、ヒートリーグ、ピリンが決意を出してくる。

「リブサーナは新たな目的となる創造神探しにかつての仲間が来てくれることにありがたみを感じたのだった。

 それが長く険しく苦難な道でも......。

〈第6弾・終了〉